何一つ頑張っていないから、頑張っていないのに好きなことは楽しもうとしている自分が許せなくて何かを楽しむことに罪悪感を抱くようになった。そうしているうちに、今まで楽しめていたものさえ苦痛に感じるようになってしまった。

飴玉

  好きな人と何でもいいから接点が欲しいけど自分から話しかける勇気は無かった学生時代、近くに座っていた好きな人が何か甘いもの食べたい!と発言した時丁度飴を持っていたのであげたらすごく喜んでくれて、笑顔向けてくれたことも話せたことも凄く嬉しかった。

 

  後日「また飴持ってない?」って彼に聞かれた。その日は持ってなくて、今日は持ってないごめんって‬返事したら「マジかー」と言われて、そこで会話が終了してしまった。凄く勿体ないことしたな…と思い、その日以降飴を持ち歩くようになった。

 

  さらに後日、飴を持ってるか聞かれたので待ってましたと言わんばかりに飴を差し出したらすごく喜んでくれた。単純な私は「ありがとう」って言ってもらえた!また話せた笑顔を向けてくれた!と嬉しくなった。彼が飴を持ってるか聞いてくる度に飴をあげて、それを足がかりに勇気を出して少し世間話とかして、っていう日を過ごした。私はそれだけで凄く幸せだった。けどある日、彼が影で私のことをデブと言ってること、デブだから何かしら食べ物持ってるはずだと思って話しかけてきていたことを知って、凄く惨めで恥ずかしくなった。彼の思惑通りに動くのが嫌になり、飴を持ち歩くのを辞めた。持ち歩くのを辞めた後「飴持ってる?」って聞かれたけど、持ってないよって答えたら会話も無くなり、その日から彼に話しかけてもらえることは無くなった。

  私は、彼にとって所詮その程度の人間だった。